2011年06月16日

台湾・DEHP事件 リアルスコープ<前編>

先日取り上げた「台湾・DEHP事件」の続きです。
現地特派員によるリアルなレポートが届きましたのでご紹介したいと思います。


『台湾・DEHP事件 リアルスコープ<前編>』

台湾でDEHP(フタル酸ジ-2-エチルヘキシル)事件が発生してから約一ヶ月が経つが、連日新聞やマスコミのトピックスで大々的に報道され、まるでドラマのように新しい事件が起きている。
日々、MIT(Made In Taiwan)商品に対する信用がなくなり、消費者及び各関連業者にも大きな衝撃を与えた。

これから飲料が一番売れる時期になるが、事件のために売上げは2〜3割落ち、飲料市場にも約5億元(およそ16.5億円/1NT$=1元≒3円)の損失があるそうだ。

4月に衛生署食品薬物管理局は「偽造薬取締」という計画を行い、地方衛生局に送られてきた市販の乳酸菌を検査したところ、「DEHP」という違反添加物が混入していることが判明した。そこから緊急に原材料を調べ、事件が明らかになったのは5月23日だった。

事件の元になった添加物「起曇剤」とは一種の乳化剤で、主に飲料やゼリーに常用され、製品の油と水分が分離するのを防ぐ。
合法的な起雲剤の原料はアラビアガム、乳化剤、パーム油、ヒマワリ油などだが、不法なメーカーが起雲剤製造の際にコスト削減のために、コストが5倍するパーム油の代わりに「可塑剤(DEHP)」を使って暴利をむさぼったのだ。

台湾政府当局は「D-DAY(当局の査察)」を呼び、いわゆるスポーツ飲料やジュース、茶飲料などの5種類の食品に対して5月31日0時までに「可塑剤」を含んでいないことの安全性を証明するよう要求、できない場合は全て売り場から撤去するとしている。

衛生署食品薬物管理局の資料によると6月15日まで関連メーカーは299件で、撤去した商品は999件だと分かった。その中に大手メーカーと有名なチェーン飲料店も巻き込まれていることも分かった。

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コンビニエンスのセブン-イレブン(日本の資本とは異なる)や量販店の飲料売場では各メーカーが提供した「安全証明書」が貼られている。

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D-DAYを実行した日には、冷蔵ケースにメーカーの安全証明書がいっぱい貼られているため商品が見えない。



1人当たり1日3杯の飲食習慣を持っている台湾人は、DEHP事件のために消費習慣を変えざるを得なくなり、好きな飲料を購入することをやめ、買い物の際には商品の成分と安全証明書をチェックするようになった。

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買う前によく見る・チェックするのが今の常識。


しかし、このDEHP事件によって話題になった商品がある。

それは「ミキサー」だ!

量販店は「自家製ジュースをつくりましょう」という新しい販促方法で、自分で新鮮な果物を買ってきて、自宅でミキサーを使って安心安全健康な搾りたてのジュースを楽しめることをアピールし始めた。

店頭に大きなポスターを貼って、各メーカーのミキサーと旬の果物などを一緒に陳列したところ、ミキサーの売り上げはこれまでより1.5倍程成長したそうだ。
果物が一番多くておいしい季節をうまく利用して、恐ろしいDEHPと戦う一番いい方法ではないだろうか!?

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量販店の売場では「ミキサーを買うと、丸ごとスイカをサービス」とした販促で売り上げを延ばした。

・・・後編へつづく

posted by SCW at 20:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 巷のニュース
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